コード板の基礎知識
デューティ比:コード板の線とスリットがなぜ1:1で作られるのか

コード板の図面には「線幅とスリット幅 1:1」とよく書かれています。これは、インデックス格子が1:1のとき、透過割合がちょうど50%のコード板で交流信号が最大になるからです。1:1から外れると信号振幅が下がり、固定しきい値で整形する場合は方形波の幅もずれ、4逓倍のカウント間隔が均一でなくなります。本稿では計算例を用いて、デューティ比の影響と検査方法を説明します。
コード板の図面では「線幅 : スリット幅 = 1 : 1」や「デューティ比 50%」という記載をよく目にします。なぜ1:2や2:1ではないのでしょうか。また、製作時に少しずれて、たとえばスリットが55%を占めたらどうなるのでしょうか。
ここでいうデューティ比は、1ピッチに占める透過スリット幅の割合を指します(反射式コード板では反射部の割合)。以下では「インデックス格子が1:1、信号はほぼ正弦波」として解析します。

1:1で交流信号が最大になる
コード板が回転すると、コード板のスリットとインデックス格子のスリットが重なったりずれたりし、透過光が強弱を繰り返します。位置情報を担っているのは、その交流成分です。
インデックス格子が1:1のとき、信号の基本波(正弦成分)の振幅は sin(π × デューティ比) に比例し、直流成分はデューティ比に比例することが示せます:
| 透過割合 | 交流振幅(1:1を1とする) | 直流成分(1:1を1とする) |
|---|---|---|
| 50% | 1 | 1 |
| 40%または60% | 約0.95 | 0.8または1.2 |
| 30%または70% | 約0.81 | 0.6または1.4 |
つまり1:1は交流振幅の頂点です。10ポイントずれても振幅の低下は約5%にすぎず、小さく見えますが、偏心、ギャップ、汚れなど他の要因と重なって信号マージンを食いつぶします。
ずれると方形波の幅も変わる
整形回路が1:1を前提に設定した固定しきい値を使う場合、デューティ比がずれると信号の直流成分が変わり、方形波のハイレベル幅もずれます。正弦波近似で計算すると、透過40%では方形波のハイレベルは約42%、透過60%では約58%になります(図1)。
4逓倍ではA相・B相それぞれの立上りと立下りで1回ずつカウントするため、方形波の幅がずれるとカウント間隔が均一でなくなります。2500本の例では、理想的には1カウントが129.6″ですが、透過40%では4つの間隔が約129.6″、86.3″、129.6″、172.9″になります(図2)。カウント間隔から速度を求めると、周期的な変動が現れます。

差動方式(AとA−の差)で比較する回路なら直流成分は打ち消され、方形波の幅はほとんど影響を受けませんが、交流振幅の低下という問題は残ります。
線幅偏差はどこから来るか
デューティ比の偏差の多くは線幅偏差に由来します。露光量、現像、エッチングの管理が不適切だと、コード板全体の目盛線が系統的に太く、または細くなります。マスク自体の線幅誤差も転写されます。
同じ絶対偏差でも、ピッチが小さいほどデューティ比のずれは大きくなります。半径20 mmで、クロム線が設計より2.5 μm細い場合:
- 2500本、ピッチ約50.3 μm:透過割合は50%から約55%に;
- 10000本、ピッチ約12.6 μm:透過割合は約70%に。
検査でデューティ比をどう見るか
- 読取り半径の位置で、画像測定機により線幅とピッチを測定し、デューティ比に換算する。放射状の目盛線は線幅が半径によって変わるため、必ず規定の半径で測る。
- 円周上に均等に配置した複数の位置で測定し、全周が一様かを確認する。
- エッジの判定方法を統一する。エッジのギザつきや残留クロムがあると、測定値と実際の光学的効果が一致しなくなる。
- エンコーダに組み込んだ後は、オシロスコープでA相のハイ/ローの時間比と、A・B信号のリサージュ図形を確認できる。
まとめ
1:1は慣習ではなく、交流信号が最大で方形波が最も均一になる設計点です。デューティ比がずれると振幅が下がり、方形波が太く・細くなり、4逓倍のカウント間隔も不均一になります。ピッチが細かいほど線幅管理が重要になり、検査は読取り半径上で全周にわたり多点で行う必要があります。
中国語原文記事の翻訳 (0018). ENC7 コード板メーカー(お問い合わせ) · 技術記事 · https://enc7.com
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