コード板の製造工程
クロム成膜:ガラスに百ナノメートル級の金属膜を付ける

ガラスコード板の黒い目盛線は、厚さ約 0.1 μm のクロム膜である。真空中でどのように成膜するのか。膜厚と遮光能力はどんな関係か。膜はなぜはがれ、ピンホールができるのか。本記事では一枚のアニメーション図でクロム成膜を説明する。
ガラスコード板の一周の黒い線は、実はクロム膜で、厚さはふつう 0.1 μm 程度、髪の毛の直径の数百分の一ほどしかない。これほど薄い金属層が光を完全に遮り、しかもガラスにしっかり「根付いて」、その後の現像・エッチング・洗浄に耐えなければならない。どうやって成膜するのだろうか。

なぜ真空中で成膜するのか
普通の空気中では、クロム原子は少し飛んだだけで空気分子にぶつかり、向きが乱れ、先に酸素と反応することもある。チャンバを真空に引くと気体分子が減り、クロム原子はほぼ直線的にガラスまで飛ぶので、膜は純粋で緻密になる。真空は水蒸気や不純物が膜に混入する機会も減らす。
二つの方法:スパッタリングと蒸着
スパッタリング:チャンバに少量のアルゴンを導入し、電圧をかけてプラズマを作る。正に帯電したアルゴンイオンが負電位のクロムターゲットに引き寄せられ、クロム原子を一つずつ「はじき出し」、その原子がガラスに降り積もる(図1参照)。ターゲット背面の磁石が電子をターゲット表面近くに閉じ込め、電離効率と成膜速度を高める。これをマグネトロンスパッタリングという。スパッタされた原子はエネルギーが比較的高く、膜は一般に緻密で密着性がよく、大面積の均一性も得やすい。
蒸着:クロムを加熱して盛んに蒸発させ、原子は蒸発源から基板まで直線的に飛ぶ。装置は比較的簡単だが、原子のエネルギーが低いため、膜の緻密さと密着力は基板温度と表面状態により強く依存する。
膜厚と光学濃度:遮光能力の計算
遮光能力は光学濃度で表す:OD = −lg T、T は透過率。
| OD | 透過率 |
|---|---|
| 1 | 10% |
| 2 | 1% |
| 3 | 0.1% |
| 4 | 0.01% |
金属中の光は指数関数的に減衰する。膜が同じ厚さだけ増すごとに、透過率には 1 より小さい同じ係数が掛かる。したがって膜が連続膜になった後は、OD は膜厚にほぼ比例して増える。図1右側の表示がこの関係である。
遮光が不足すると信号コントラストが直接下がる。コード板だけを見て、透光スリットの透過率を 1 とすると、変調度 M = (1 − T) ÷ (1 + T) は OD 1 で約 0.82、OD 2 で約 0.98、OD 3 で約 0.998 となる。膜は厚ければよいわけでもない。膜が厚いほどエッチング時間が長くなり、サイドエッチングが増え、線幅の管理が難しくなる。そのため膜厚は「十分かつ安定」な範囲に定め、全面で均一にする。クロム膜の表面にさらに酸化クロム層を付け、反射を抑えて迷光を減らすコード板もある。
密着力:膜はガラスに「根付く」必要がある
クロムとガラスはもともと結合しやすく、そのためほかの金属膜の下地層としてもよく使われる。ただし前提は表面が清浄であることだ。ガラスに目に見えない油膜が残っていると、クロムは油膜の上に「かぶさっている」だけで、後の現像やエッチングで浮き上がり、はがれる。一般には成膜前に徹底的に洗浄し、チャンバに入れた後にイオン衝撃で最終清浄化を行い、必要に応じて基板を加熱する。密着力はテープ剥離で確認できる。テープを貼ってはがし、膜が持っていかれないかを見る。
ピンホールはどこから来るか
ピンホールは成膜で最もよくある欠陥で、主な原因は三種類ある:
- 基板上のパーティクル:パーティクルがクロム原子を遮り、その下が成膜されない。後でパーティクルが脱落すると小さな穴が残る(図2参照)。
- チャンバ内の落下物:チャンバ壁や防着板に堆積した古い膜がはがれ、基板に落ちる。
- 局所的な汚れ:油点や水しみの部分は膜の密着が悪く、後のウェット工程ではがされる。
対策もそれぞれに対応する。洗浄と基板投入はクリーンな環境で行い、チャンバを定期的に清掃し、成膜後にバックライトで検査する。ピンホールはバックライト下で明るい点として見え、目盛線上にあれば光漏れ点になる。

まとめ
クロム成膜は、真空中でクロム原子を一層ずつガラスに降り積もらせる工程である。OD は膜厚にほぼ比例して増え、透過率は一段ごとに十分の一に下がる。膜は適切な厚さで、均一で、密着がよく、ピンホールがないことが求められ、そのいずれも清浄な表面と清浄なチャンバなしには実現できない。
中国語原文記事の翻訳 (0022). ENC7 コード板メーカー(お問い合わせ) · 技術記事 · https://enc7.com
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