コード板の製造工程
フォトマスク:コード板パターンの「ネガ」

コード板上の目盛線はすべてフォトマスクから転写される。マスクはどう作られるか、その精度と欠陥がどう各コード板へ伝わるか、なぜ母版と作業版に分けるか、マスク寿命をどう延ばすか——本記事で順に説明する。
あるコード板を量産すると何千枚にもなり得るが、その目盛線の源は同じ一つ、フォトマスクである。マスクは写真のネガのようなもので、ネガにあるものは焼き付けた写真にもそのまま現れ、良いものも悪いものも同じである。

フォトマスクとは何か
フォトマスクは平坦なガラス板の表面にクロムでパターンを形成したもので、構造はガラスコード板そのものによく似ている。コード板のような 1:1 複製では、マスク上のパターンはコード板と同じ大きさで、一枚の板に複数のコード板パターンを並べ、一度の露光で複数枚を作ることが多い。
基板材料としてよく使われるのはソーダライムガラスと石英ガラスである。石英の線膨張係数は約 0.5 × 10⁻⁶/K、ソーダライムガラスは約 9 × 10⁻⁶/K である。温度が 1 K 変わり半径 20 mm では、ソーダライムマスクの寸法変化は約 0.18 μm、石英は約 0.01 μm にすぎない。全体が比例して膨張収縮しても目盛線の角度位置は変わらず、固定半径でのピッチも変わらないが、コードトラックの半径はそれに追随し、コード板に焼き付けられると設計半径からのずれになる。マスク温度が不均一だと各所の膨張がそろわず、角度誤差を直接生む。そのため高精度用途では石英マスクを使い、露光時の温度を管理することが多い。
フォトマスクはどう作られるか
最初の一枚にはコピー元の「ネガ」がないので、設計データから直接「描く」しかない。一般的な方法はレーザまたは電子ビーム直描で、装置がデータに従い点・行ごとにスキャンし、レジストを塗ったクロム板上を露光し、現像・エッチング・レジスト剥離でクロムパターンを得る。円形パターン向けには、基板を精密回転台で回し極座標で線ごとに書き込む方式もあり、目盛線の角度精度は回転台と測角系に依存する。
できたマスクは項目ごとに検査する。線幅、目盛位置、パターンと芯出しリングの同心度、欠陥である。余分なクロム点や欠けたクロムは専用装置で補修し、補修後に再検査する。
マスクの誤差はどうコード板へ伝わるか
フォトリソグラフィは「複写」である。マスク上の問題はどのコード板にもそのまま現れる(図2参照)。
- 目盛位置誤差 → コード板の目盛誤差となり、どの枚も同じ。
- 線幅偏差 → デューティ比の偏差。
- パターンと芯出しリングの非同心 → 芯出しリングで組み立ててもコード板は偏心したまま。
- 欠陥とパーティクル → どの枚も同じ位置に同じ欠陥が出る(図1)。
これは利点でもあり要求でもある。利点は一貫性で、同じマスクから作ったコード板は誤差の傾向がほぼ同じになる。要求は、マスク自体の精度がコード板仕様より明らかに高くなければならないことだ。後工程の露光やエッチングは誤差を足すだけで、良くはしない。

母版・作業版とマスク寿命
密着露光では使うたびにマスクがレジスト面と密着し、レジストやパーティクルが付き、傷も付きやすい。直描したマスクをそのまま量産に使い、破損すれば製版をやり直さなければならない。
よくあるやり方は二段階に分けることだ。直描したものを母版とし、検査合格後に大切に保管して複製専用にする。母版から複数の作業版を複製し、日常生産は作業版で行い、古くなれば母版からまた複製する。
マスクの保全はチェックリストにまとめられる。
- 規定回数または周期で洗浄し、レジスト跡とパーティクルを除去する;
- ライトボックスや顕微鏡で定期的に欠陥と傷を検査する;
- 専用のクリーンボックスに保管し、重ね置きや素手接触を避ける;
- 新しい欠陥が許容を超えたら作業版を停止し交換する。
マスク寿命は暦時間ではなく、主に使用回数と検査結果で見る。
まとめ
フォトマスクはコード板パターンの源である。その精度がコード板精度の上限を決め、その欠陥はどの枚にも繰り返される。低膨張基材、厳格な製版検査、母版と作業版の階層、定期的な洗浄・検査が、ロットごとの安定した一貫性の基盤になる。
中国語原文記事の翻訳 (0026). ENC7 コード板メーカー(お問い合わせ) · 技術記事 · https://enc7.com
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