ガラスと基板の科学
ガラスの光学的不均質性:脈理と屈折率ゆらぎが位相式読取りに与える影響

ガラスの屈折率ゆらぎ Δn は透過光に光路差 OPD = Δn·t を生じさせる。Δn = 10⁻⁵、厚さ 1–2 mm ではわずか 10–20 nm で、振幅型の読取りには無視できる。回折干渉式の読取りでは二つのビームが異なる位置を通過して位相差が生じ、最悪で約 1–2″(例)。本記事では均質性要求を導出する。
ガラスの「透明度」と「均質性」は別物である。光をまったく吸収しないガラスでも、内部には 10⁻⁵ あるいはそれ以上の屈折率ゆらぎがありうる。原因は溶融時の組成の不均一(脈理状になる)、徐冷時の温度場の不均一、そして応力である。従来は「結像光学系にしか影響せず、コード板は気にしなくてよい」と考えられてきた。遮光型パターンについてはほぼその通りだが、読取り方式が光の位相に依存すると事情が変わる。本記事ではまず光路差と波面ひずみを計算し、次に振幅型と回折干渉型の読取りがそれぞれどんな影響を受けるかを見て、最後に角度誤差予算から均質性要求を逆算する。

モデル:光路差と波面
光が厚さ t のガラスを厚さ方向に通過し、屈折率が横方向位置 y によって n(y) = n₀ + Δn(y) と変化するとき、波面上の各点の光路差と位相は
OPD(y) = Δn(y) · t、φ(y) = 2π · OPD(y) / λ
ここで Δn は PV 値、λ は波長である。Δn = 10⁻⁵、λ = 850 nm のとき:
- t = 1 mm:OPD = 10 nm、約 λ/85、位相 PV 4.2°;
- t = 2 mm:OPD = 20 nm、約 λ/43、位相 PV 8.5°。
参考までに λ/4 は 212 nm である。波面全体の一様なシフトは読取りに影響しない。効くのは横方向の変化だけで、波面の傾き dOPD/dy は光線を偏向させ、二点間の OPD 差は位相の違いを生む(図2)。

振幅型の読取り:偏向はごく小さい
脈理が周期 Λ_s、振幅 Δn/2 の余弦状に変化するとすれば、光線の最大偏向角は πΔn·t/Λ_s である。Λ_s = 0.1 mm、t = 1 mm、Δn = 10⁻⁵ とすると偏向は 3.1×10⁻⁴ rad(約 65″)。パターンが入射面にあり、ガラス出射面からインデックススケールまでのギャップ g = 0.1 mm なら、像の変位は 31 nm で、20 μm ピッチのわずか 0.16%、r = 20 mm で約 0.3″ に相当する。Λ_s = 1 mm なら 3 nm にすぎない。明暗のコントラストは影響を受けないので、10⁻⁵ オーダーの Δn は振幅型の読取りでは無視できる。
回折干渉式の読取り:二つのビームは異なるガラスを見る
回折式の読取りは ±1 次光の再重ね合わせによる。ピッチ p の格子のガラス内回折角は sinθ_g = λ/(n·p) で、厚さ t を通過した後の二つのビームの間隔は
s = 2t · tanθ_g
p = 20 μm、n = 1.51、λ = 0.85 μm のとき sinθ_g = 0.028、t = 1 mm で s = 56 μm、t = 2 mm で 113 μm となる。二つのビームは異なる位置を通るため、位相差はその二か所のガラスの差だけで決まる:
δφ = (2π/λ) · Δn · t · |sin(πs/Λ_s)|
最悪は脈理周期 Λ_s = 2s のときで、δφ = 2πΔn·t/λ(すなわち上の位相 PV)となる。二つのビームの位相差は格子変位 x = δφ·p/(4π) に等価で、角度に換算すると x/r。計算例(Δn = 10⁻⁵、p = 20 μm、r = 20 mm、例):
| 厚さ | 最悪(Λ_s = 2s) | Λ_s = 1 mm | Λ_s = 10 mm |
|---|---|---|---|
| 1 mm | 4.2°、1.2″ | 0.75°、0.21″ | 0.07°、0.02″ |
| 2 mm | 8.5°、2.4″ | 2.9°、0.84″ | 0.30°、0.09″ |
脈理の周期がビーム間隔と同程度のとき影響が最大で、脈理が非常に広いと二つのビームは同じ場所に入り、誤差は急速に消える。回転とともに脈理が光路を横切るため、誤差は単純な高調波ではなく、ガラス内の分布に従って変動する(図3左)。同時に、光スポット内の波面位相の変動は干渉コントラストを下げるが、位相 rms 0.1 rad で約 0.5% 低下するだけで、位相誤差そのものより二次的である。また、位相格子の溝深さに対応する位相 2π(n−1)d/λ は n の相対変化 Δn/(n−1)、約 2×10⁻⁵ でしか変わらず、ゼロ次効率にはほとんど影響しない。

均質性要求の決め方
変位予算 x = e·r(e は許容角度誤差、ラジアン)と最悪条件 δφ = 2πΔn·t/λ から
Δn_max = 2 · e · r · λ / (p · t)
e = 0.5″、r = 20 mm、p = 20 μm のとき、t = 1 mm では Δn ≤ 4.1×10⁻⁶、t = 2 mm では 2.1×10⁻⁶ が必要。e を 1″ に緩めればそれぞれ 8.2×10⁻⁶ と 4.1×10⁻⁶ になる。上限は e、r に比例し、p、t に反比例する。ピッチが細かいほど、ガラスが薄いほど要求は緩い。光学材料の均質性は ISO 10110-4 で等級分けされ、高等級品は 10⁻⁶ オーダーに達するが、一般のフロートガラスは通常この指標を保証しない。
実務のポイント
- 振幅型読取り(遮光パターン+インデックススケール)は Δn に鈍感で、通常は均質性を別途規定する必要はない。
- 回折干渉式・位相式読取りでは Δn_max = 2·e·r·λ/(p·t) で逆算し、厚さとピッチを合わせて検討する。
- ビーム間隔 s が脈理周期と同程度のとき最も敏感で、幅 0.1–0.5 mm の細い脈理は広い面積の緩やかな変化より危険である。
- 材料選定では仕様書に均質性等級と検査方法(干渉計による透過波面測定)を明記し、「光学グレード」とだけ書かない。
- できるだけ薄く:誤差は t に比例するので、2 mm を 1 mm にすれば要求は二倍緩くなる。
- パターンを出射面に置き、光がガラスを通過してから回折する構成では、二つのビームはガラス内で分離せず、シア誤差は大幅に減る。構造選択の根拠にできる。
まとめ
Δn = 10⁻⁵ のガラスでは、厚さ 1–2 mm でも光路差は 10–20 nm にすぎず、遮光型の振幅読取りでは無視できる。回折干渉式読取りでは二つのビームが異なる位置を通過し、位相差は 2πΔn·t/λ で頭打ちとなり、例のパラメータで最悪約 1–2″、逆算した均質性要求は 10⁻⁶ オーダーである。均質性を特別に規定すべきかどうかは、ガラスが透明に見えるかではなく、読取り原理で決まる。
中国語原文記事の翻訳 (0575). ENC7 コード板メーカー(お問い合わせ) · 技術記事 · https://enc7.com
© 廊坊晶正光電技術有限公司(Langfang Jingzheng Optoelectronic Technology Co., Ltd.)無断転載を禁じます。本記事はAIの支援を受けて作成されています。